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第34話 ひとりで背負わせない

Auteur: みだん
last update Date de publication: 2026-09-15 16:00:08

宿へ戻る道中、私たちはほとんど言葉を交わさなかった。

夕暮れの道を、三人分の足音だけが、乾いた土の上に規則正しく響いていた。

赤く染まった空が、少しずつ藍色に変わっていく。

その境目を、私はずっと見上げていた。

何かを見ていないと、頭の中の声に押し潰されてしまいそうだった。

道端の草が、風に揺れるたび、乾いた音を立てた。

シェラが、そっと私たちより数歩、後ろに下がった。

気遣ってくれているのだと分かった。

*

部屋に戻ってからも、アルヴィス様は口数が少なかった。

窓辺に立って、暮れていく空を、じっと見つめていた。

その背中が、いつもより小さく見えた。

灯りをつけることも忘れて、彼はただ、暗くなっていく窓の外に、視線を向け続けていた。

私は寝台の端に座って、考え続けていた。

――わたくしたちの、始まり。

遠い前世、あの相打ちの瞬間、彼は術を使った。

私を、二度目の生へ送る
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